大阪・関西万博で独裁国家を知る

旅行記

せっかく日本でやっているので万博に行きました。行ったのは8月の平日でかなり暑い日でした。

パビリオンを巡る

7時半過ぎに会場に到着。折り畳み椅子と日傘で開場の9時まで待機します。日本人の性なのか皆やたらと前に詰めます。トイレに行こうとして列から抜けるときに苦労しました。

クウェート館

手荷物検査が全然進まずそこそこ時間がかかって入場。朝から容赦なく暑いので既にいくらか消耗した感はありますが早速クウェート館へ。ここに限らずですが独特な形状のパビリオンが多いので建築を見るのも楽しいです。

まずは球体のスクリーンで謎のキャラクターが歴史の説明をしてくれます。中東の石油産出国ですが、かつては真珠の輸出が盛んだったようです。

本物の砂漠の砂に触れたり、映像に合わせて踊ったり、何故か滑り台があったりする体験型のパビリオンです。砂漠の砂は粒が細かく思ったよりさらさらとした感触でした。

最後のエリアは寝そべって映像の鑑賞でした。天井が広く迫力のある映像で中々面白かったです。

null2

少し散歩してから次のパビリオンへ。null2はかなり評判になっていたので気にはなりますね。

いのちの未来館

当日予約で空きがあったので「いのちの未来館」へ。この当日予約は、枠が開放されてもすぐ埋まってしまうので、取るなら張り付いていないといけない状態でした。実際、パビリオンの中でもスマホいじっている人が結構いました。この辺りはもう少しどうにかならなかったのかなと。

メインの展示は50年後のアンドロイドが普及した世界がテーマ。映像の主なストーリーは、アンドロイドが一般社会に溶け込んだ世界での家族を扱ったもので、終盤では自然な死かアンドロイドに記憶を移すか選択するという内容でした。個人的には2025年の日本で今更やる内容かというのが正直な感想。

ただラストの展示だけはかなり良かったです。どうやら千年後の人類は全身タイツで3人1組でグルグル回っているらしい。作者の魂が感じられる作品です。ずっと流れていた水音がただのBGMなのか、それともアンドロイドから何かが流れている音なのかが気になるところ。

アゼルバイジャン館

昼ご飯はアゼルバイジャン館で。郷土料理であるプロフとドルマ風味のおにぎりとアイスティーを注文しました。調べてみたところ、プロフは肉や野菜、スパイスを使った炊き込みご飯。ドルマは「包む」という意味で肉や玉ねぎなどをキャベツやブドウの葉で包んで煮込む料理とのこと。アイスティーは紅茶と麦茶の中間のような味でした。どれも美味しかったです。

アラブ首長国連邦館

UAEパビリオンはナツメヤシを使った大きな柱が並ぶ空間です。オイルマネーの余裕を感じる凝ったパビリオンでした。

リングの上にも上ってみました。歩いたのは水上ショーをやっている「ウォータープラザ」付近だけですがそれでも長く感じたので、一周歩くのはかなり大変そう。

パビリオンを上から眺めるのも面白いのでもう少し歩いてもよかったかもしれないです。

オランダ館

オランダ館は光るオーブを持って移動し、途中でオーブを近づけると反応する説明スポットがある感じです。共に分かち合い、新しい価値を生み出す理念である「コモングラウンド」がテーマとなっており、随所で強調されていました。

国土の1/4が海面下にあるので水害に対抗するため協力することを学び「コモングラウンド」の礎となった、地球規模の環境問題は1国では対応できないので力を合わせて取り組もうといったかなり真面目な内容です。

こちらもプラネタリウムのように見上げて鑑賞するタイプのシアターでした。

キルギス
ブルンジ

合間にコモンズ館も周りました。一つ一つは小さいですが特産品や民芸品が展示されており、スタッフのやる気も差があって国ごとにかなり雰囲気が違います。名前を知らないような国も多いので広く浅く楽しめます。

・なぜかサプリが展示されているキューバ。葉巻を売って欲しかった。
・隅のタブレットで流している動画の日本語訳に「不法占拠」の文字が出てくるパレスチナ。
・がっつり金をかけた展示で技術力アピールしているイスラエル。
・怪しい土産物屋と化しているイエメン。
印象深かったのはこのあたりですね。あと狭いのでスタンプ押しに来ている人は正直邪魔でした。

トルクメニスタン館

そして個人的に今回の目玉である独裁国家トルクメニスタン。外壁のデカいスクリーンで馬や犬、曲芸の映像を流しており入る前からやや様子がおかしいです。

中に入ると大統領が出迎えてくれます。テンション上がりますね。

1階では壁を使った大きなスクリーンで、トルクメニスタン原産の馬「アハルテケ」や首都「アシガバート」、そして国犬「アラバイ」を神々しい映像で紹介してくれます。2階の展示では伝統工芸の絨毯や食品、まさかの日本語教育の本などが置いていました。

調べてみるとトルクメニスタンは自由観光は出来ず、ビザの発行に現地旅行代理店経由での招待状の取得が必要と訪問の難易度がかなり高いようです。個人的には何時間もパビリオンの行列に並ぶよりは、こういった行くのが難しい国のパビリオンを見るのがいいかなと思います。

その国のことがよく分かるという点で、見たパビリオンの中では一番良かったです。万博は全体的にやはりSDGsや技術力関連の話が多く、どうしても印象に残りづらいのが本音。

暗くなってきて水上ショーを見るために人が集まってきました。気にはなりますが会場の北の方にほとんど行っていなかったので散歩することにしました。

さっと入れるパビリオンを見ながら散歩。この時間帯になると並べなくなる所もでてくるようです。

ライトアップされたリングは中々きれいです。

開催前に散々話題になったやつ。下を通りましたが落ちてきたら死ねるサイズなのでかなり怖いです。本当に石が浮いているだけなので、リスクを負ってまでやる意味があったのかは疑問。

時間的にもうパビリオンも入れず、炎天下に1日いて疲れたので撤収。

まとめ

結構面白かったので万博自体の評価は高めです。特にトルクメニスタン館はここだけで元が取れるといっても過言ではないと思います。食べ物もアゼルバイジャンとオランダしか食べていませんが美味しかったです。なにより日本基準で作られているで安心。もう少し他の国のも食べてみたかったです。

一方で人が多い、パビリオンの待ち行列が長い、暑い、当日予約が面倒といった辺りがマイナスポイント。トータルでは新幹線とか飛行機の距離だとわざわざ行くほどか微妙かなという感想。逆に近隣の府県に住んでいたら通っていたと思います。

コメント